珈琲を淹れる

自宅で簡単にプロの味!美味しい珈琲の淹れ方(ペーパードリップ編)

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自宅で美味しい珈琲を飲みたいのだけれど、なかなか上手に淹れられない……と、お悩みの方はいらっしゃいませんか?中には、珈琲教室まで通ったのに、少しも変わらないと諦め半分の方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方も、どうぞご安心ください。ご自宅で美味しい珈琲を淹れるのは、実はとても簡単です。ドリップの基本として最初に覚えておきたいのは、ペーパードリップです。

もちろんペーパードリップならどんな淹れ方をしても美味しいという訳ではありません。でも、たった5つのポイントを押さえるだけで、美味しい珈琲を抽出できます。まずは、そんなペーパードリップをマスターしましょう。

美味しい珈琲を淹れる最初のポイントは豆や粉の量

容量の違う2種のコーヒーメジャースプーン
コーヒー用のメジャースプーン例

まず、やかんを火にかけます。お湯を沸かしている間に、コーヒーサーバーにドリッパーをセットします。

ここで、最初のポイントです。珈琲豆や粉の使用量は「珈琲100㏄をいれるのに豆または粉(以下豆と記載します)を10g使う」と覚えてください。100㏄で10gですから覚えやすいですね。例えばマグカップなら、200㏄くらい入りますから20g、2人で飲むなら倍の400㏄で40gの豆をセットします。

写真のような珈琲豆用のメジャースプーンは、10gのものと7gのものがありますので、1度お手持ちのスプーンのグラム数を確認しておくと良いでしょう。

美味しい珈琲を淹れるにはお湯の温度が大切

コーヒーポットのお湯を移し替える

さあ、お湯が沸いてきました。お湯は、カルキを飛ばすために1度グラグラに沸騰させます。この時、もちろんお湯の温度は100℃ですが、珈琲の抽出に最適な温度は、92℃前後です。「え~、じゃあお湯の温度を測って、92℃まで冷まさなくちゃいけないの? めんどくさい!」と思ったあなた、ご安心ください、一発で最適な温度にする方法があります。

それは、金属製のコーヒーポットにお湯を移しかえること。こうすると、お湯はちょうど92℃くらいになります。

コーヒーポットには直火で使用できるものや、IH対応のものもありますが、コーヒーポットでお湯を沸かしてしまうと、温度を見ながら温度が下がるまで待たなければなりません。でも、やかんでお湯を沸かしてポットに移しかえる方法なら、そのひと手間だけで、温度を測る手間も冷ます時間もいりません。しかも簡単に最適な温度になりますから、ぜひお試しください。(※1)

珈琲豆を20秒蒸らすことで珈琲はぐっと美味しくなる!

20秒の蒸らし時間が珈琲を美味しくする
わずかな時間でも蒸らし時間が有るか無いかで大違い

では、抽出に入ります。まず、コーヒーポットで湯量をコントロールしながら、豆の表面全体を薄く覆うようにお湯を回しかけます。この時の湯量は、コーヒーサーバーにお湯が落ちるか落ちないか程度が目安で、ポタポタポタ……とお湯が落ち続けるようではかけ過ぎです。

注ぎ口の大きなやかんやポットでは、この湯量のコントロールが難しいので、できるだけ注ぎ口の細いコーヒーポットを使っていただくのが良いと思います。また、持った時のバランスが良く手に馴染むものが使いやすいでしょう。コーヒーポットを購入する際には、できるだけ手にとってしっくりくるものを選びます。

お湯を回しかけると、もう珈琲の香りが立ち上ってきますので、その香りを楽しみながら20秒ほどお待ちください。この20秒がコーヒー豆を蒸らし美味しいコーヒーを作るもとになります。

珈琲豆は、見かけ以上に油分を多く含んでいます。そのためいきなりお湯をかけるとこの油分が邪魔をして美味しさの成分が出にくいと言われます。蒸らすことで、お湯が粉全体に行きわたり、珈琲の油分がお湯になじんで、抽出時に美味しいの成分が出やすくなるのです。

この時、表面を見ると、お湯をかけたばかりの時は表面がキラキラしていますが、20秒ほど経つとキラキラが消え表面が落ち着いています。こうなったら、次のステップに進みます。

絶対にやってはいけない!美味しいと評判の豆さえ台無しにしてしまうこと

お湯を注ぐのはドリッパーの真ん中だけ
珈琲粉の真ん中だけにお湯を注ぐ

お湯は、何回かに分けて、豆の中心部のみに注ぎます。珈琲粉の中心に500円玉くらいの大きさの円をイメージして、この円内にクルクルと回しながらお湯をかけてください。新鮮な豆であれば、写真のように溢れるほどに膨らんできますので、こぼさないように何回かに分けて注ぐことになります。

この時、次の2点だけは絶対に守ってください!以下の2点を守らないと、たとえ美味しいと評判の最高級豆を使っても、美味しい珈琲を淹れることはできません。

◆お湯を珈琲粉の周辺部やペーパーにかけないようにする。
◆注いだお湯を最期まで落としきらない。

お湯を注いでいると表面に白い泡がでてくるのがわかりますが、これが料理のアクのようなもので、珈琲の味を悪くする最大の敵なのです。そこで、このアクを絶対に珈琲に落とさないように「お湯が落ち切る前に次のお湯を注ぎ」、豆の周辺部に土手を作ることで「周りからもアクを落とさない」ようにするのです。

なお、お湯を注ぐ際、3回目くらいからは中心部をめがけて思い切ってお湯を入れてください。ここでチョロチョロと少ない量でお湯を注いでいると、珈琲が濃くなりすぎるだけでなく、苦み等も強くなりその豆が持つ美味しさのバランスが崩れてしまうことがあります。

お湯を最後の1滴まで落とすと珈琲は劇的にまずくなる!

ペーパードリップの最後の仕上げてはいけない
ドリッパーに注いだお湯は落ちきらないうちに外します

さて、お湯を注いで規定量の珈琲がとれたら、お湯を最後まで落としきらないうちに(注いだお湯がドリッパーに残っているうちに)、写真のようにドリッパーを外します。

理由はもう、おわかりですね? そうです、珈琲豆からでるアクを、珈琲に混入させないためです。このやり方で、香り・色・味と三拍子そろった美味しい珈琲を淹れることができます。

実験:テイスティングで美味しさを確認しよう

ここで、簡単なテイスティング実験をしてみましょう。

① 上のやり方で美味しく淹れたコーヒーを少量でよいので2カップ用意します。
② その一方に、上記の最後まで落としきった珈琲(写真でいえばガラスコップの中の珈琲)を、ほんのスプーン1・2杯加えてよく混ぜたものを作ります。

ここで、2つのカップを飲み比べてみてください。きっと味の違いに驚かれるはずです。さらに、少し時間をおくと②の珈琲はエグ味や嫌な渋味などが際立ってきて、ますます味に違いが出てきます。

この実験で、「なぜ注いだお湯を最後まで落としてはいけないのか?」皆さんの舌で実感していただけるはずです。

珈琲専門店の味をご自宅で!

ご紹介した淹れ方はとても簡単な方法ですが、お湯を注ぐ所だけは少し練習が必要かもしれません。

でも、ほとんどの方は4~5回の練習でコツをつかんで、上手に淹れられるようになりますからご安心を! もしお湯を注ぐスピードや量のイメージがわかりにくい時は、次の動画を参考にしてみてください。

ちょっとしたコツを知っていれば、ご家庭でも簡単に美味しい珈琲を召し上がっていただけます。1杯の美味しい珈琲が、みなさんの毎日の生活に安らぎや癒しをお届けできますように!

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