水出し珈琲を飲んだことがありますか? 水出し珈琲 は、 コールドブリューとも言われ、 ゆっくりと時間をかけて、水だけで抽出する珈琲です。それにより透明感のあるクリアーな珈琲となり、他のドリップ法にはない豊かな味わいが生まれます。
以前はダッチコーヒーと呼ばれていました。ダッチとはオランダ人のことですが、昔オランダ領インドネシアで栽培されていた苦みや渋みの強いロブスタ種の珈琲を、なんとか美味しく飲もうとして考え出されたのが発端で、ダッチコーヒーと言われたそうです。
そんなコールドブリューをご自宅で簡単に楽しんでいただくために、器具の選び方を皮切りに、淹れ方のコツから器具の手入れ方法までをご紹介します。
器具選びから始まる!コールドブリューの世界
昔、珈琲専門店には、写真のような 大掛かりな水出し器具があり、珈琲愛好家の舌と目を楽しませてくれました。時は流れ、今では、ご家庭でも手軽にコールドブリューを楽しめるように、様々な水出し珈琲用器具が販売されています。まずは、まずは、ご自身にぴったりの器具を選ぶために、代表的なウォータードリッパーの形態を比較してみましょう。
◆ 珈琲粉を全て水に浸して抽出するポット式
非常にさっぱりした珈琲ができるので、ガブガブ飲みたい方に向いています。難点は、抽出に24時間かかることと、水出しながら若干珈琲のエグミが感じられる仕上がりでしょうか。また、水出し珈琲ならではの味を求める方には、さっぱりし過ぎで物足りなさが残るかもしれません。味にこだわりたい方には不向き。
写真は 「ハリオ 水出しコーヒーポット 」容量1000cc(2019年9月現在 1,620円)
◆ 家庭用の本格的な滴下式
「滴下式」は、まるで点滴のように、1滴1滴水を落として、じっくりと珈琲を抽出していきます。ポタは、滴下水量もコック1つで簡単に調整できるので、簡単に好みの濃さの珈琲を抽出できます。
ただ家庭で気軽に楽しむには、ちょっと値段が高すぎるのが残念。「こだわり派」向きドリッパーです。
写真は「 ハリオ ウォータードリッパー・ポタ 」容量600cc(2019年9月現在 32,400円)
◆ 家庭用の滴下式
使い勝手もコスパも抜群の滴下式ドリッパー。珈琲粉と水の量さえきちんと守れば、誰でも簡単に水出し珈琲の醍醐味を味わえます。2時間で400cc(マグカップ約2杯分)の珈琲ができるので、朝食時にセットしておけば家事が一段落するころには美味しい珈琲ができています。リーズナブルなお値段も嬉しいサーバーです。
写真は「 iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー 」容量400cc(2019年9月現在 3,600円)
器具を選ぶ際には、出来上がりの珈琲の味・使い勝手・器具の値段の3つを考慮して選びます。飲む方の味の好みや生活スタイルに合わせて優先順位を決め、選ぶと良いでしょう。
「自宅で手軽にプロの味」という観点から選ぶなら、上記3タイプの中では、 「iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー」 がおすすめです。上部の水を入れる部分はプラスティック製ですが、珈琲が溜まる下部はフタができるガラス製で、そのままデキャンタとして使えるなど、家庭での使いやすさにこだわった作りになっています。 味の良さも、文句なしの合格点です。
コールドブリューを美味しく作るためのたった2つのコツ
今回は、使い勝手の良い「iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー」を使って淹れ方のコツをご説明します。
丁寧な下準備が失敗を防ぐ
このコーヒーサーバーでは、およそ400ccの珈琲を作ることができますので、40gの珈琲豆を用意します。豆は、極細挽き(エスプレッソ用)に挽いてください。(※1)挽いた粉を、まずコーヒーカップ等に入れ、大さじ2杯程度の水を加えて全体をよくかき混ぜます。混ぜた後に、珈琲粉が湿気たお砂糖のような感じになっていればOKです。もしも、まだ湿り気が足りないようならば、ほんの少しだけ水を足して調整します。
実は、iwaki ウォータードリップコーヒーサーバーで水出し珈琲を上手に作るコツは、「極細挽きに挽くこと」と「大さじ2杯程度の水を加えてよく混ぜること」……この2つだけです!
あとは、フィルターに珈琲粉をいれて、その上に紙の丸型ろ紙(カリタ丸型濾紙3 直径56mmなど)を乗せ、水タンクの逆三角形の目盛りまで水を入れてセットすれば、準備は完了です。
1つ注意していただきたいのは、丸ろ紙を置く場所です。ペーパードリップのイメージがあるからか、ろ紙を珈琲粉の下に敷く方がいらっしゃいますが、それは間違いです。ろ紙は、珈琲粉の上に置いて、滴下してくる水を受け、水が珈琲粉全体に均一に行き渡るようにする役割があります。ろ紙がないと、水滴が雨だれのように1点に集中して穴ができ、水が全体に行き渡りにくくなります。
<参考>
※ 1 極細挽きにするのは、水では 苦味成分を抽出しにくいため、苦味が出やすい極細挽きの粉を使って、バランスをとるためです。その他の手段としては深めに焙煎にした豆を使っても同じ効果を得られます。
「後は待つだけ」という手軽さも魅力
アイスコーヒーで楽しみたい方は、そのまま冷蔵庫に入れておけば、出来上がるころにはちょうどよく冷えています。 待つこと2時間……もちろん見ている必要はありません。その間に家事を片付けるなり、ビデオを見るなり、お好きな時間をお過ごしください。当たり前ですが、火を使わないので、夜おやすみ前やキャンプの時などにも安心して利用できます。
フィルターからコーヒーが落ちてこなくなれば完成です。水出しということでアイスコーヒーとして飲まれる方が多いと思いますが、ぜひ1度常温で飲んでみてください。舌を刺激する冷感がないため、珈琲の味がストレートに伝わってとても美味しいです。
参考動画
次の動画でも、水出し珈琲の作り方を説明しています。珈琲粉に水を加えて混ぜた時の具合なども、実際に見ていただいた方がわかりやすいと思いますので、参考にご覧ください。
知っておきたい器具の手入れ法
普段のお手入れは、フィルター部分を逆さにして、トントンと叩くようにして珈琲かすをゴミ箱へ捨ててから、普通に洗っていただければ大丈夫です。
ただ、長く使っていると、水に含まれるカルキ等で 上部の水タンクの穴が詰まってくることがありますので、もしもタンクからの水の落ちが悪くなったと感じたら、ティッシュペーパーなどでこよりを作ってタンクの穴をつついて綺麗にします。 つまようじなどを使って穴をつつくと、穴の部分を傷める可能性があるので ご注意ください。
また、フィルター部分も布目が非常に細かく詰まりやすいので、時々フィルターの外側から水をかけて洗ってください。シャワー水流があれば、そちらを利用することをおすすめします。ひと手間でフィルターの詰まりを防ぐことができます。
参考:この記事でご紹介した器具など
- iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー (3600円)
- カリタ丸型濾紙3 直径56mm (260円)
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